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2022.09.06

シダックス株式会社普通株式に係る公開買付けへの対応方針について

  ユニゾン・キャピタル株式会社が運用及び助言を行うファンド(ユニゾン・キャピタル4号投資事業有限責任組合及びUnison Capital Partners IV(F), L.P.を総称して、以下「ユニゾンファンド」)は、2019年5月17日に、シダックス株式会社(以下「シダックス」)と資本業務提携契約(以下「本資本業務提携契約」)を締結し、以来、優先株式による資本参加に加えて、戦略的パートナーとして経営支援を行い、シダックスの成長の実現に向けて取り組んでまいりました。

  また、本資本業務提携と同時に、ユニゾンファンドは、シダックスの創業家(以下「創業家」)との間で株主間契約(以下「本株主間契約」)を締結しましたが、本株主間契約においては、創業家がユニゾンファンドに対し、適用法令上許容される限度において、かつ適用法令に従ってユニゾンファンドが所有するシダックス株式の全部を創業家又は創業家が指定する者(以下「創業家指定譲受人」)に対して売却するように請求できる権利(以下「本売却請求権」)が規定されています。

  その後、本年6月に創業家より本売却請求権が行使され、オイシックス・ラ・大地株式会社(以下「オイシックス」)が創業家指定譲受人として指定されました。また、同月、創業家による本売却請求権行使前に、ユニゾンファンドは、本資本業務提携契約に従い、シダックス優先株式に定められた権利に基づき、保有するシダックス優先株式の全てを同社普通株式に転換するための事前通知をシダックスに対して行い、翌月、かかる転換が完了した結果、ユニゾンファンドは、現時点において約27%のシダックス普通株式(以下「本普通株式」)を保有するに至っております。

  ユニゾンファンドとしては、本売却請求権の対象となる本普通株式全てについて、本株主間契約上の規定に従って売却に応じる意向です。同時に売却にあたっては、適用法令を遵守することはもとより、シダックスの企業価値や一般株主など創業家とユニゾンファンド以外のステークホルダーの利益が犠牲になるようなプロセスは当然回避されるべきものと考えております。

  こうした考えに基づき、ユニゾンファンドとしては、2022年8月30日より開始されたオイシックスによるシダックス普通株式への公開買付け(以下「本公開買付け」)に先立って、本株主間契約上の義務を遵守するべく創業家及びオイシックスとの協議を進め、その過程で、本売却請求権に基づく本普通株式のオイシックスへの売却を行うためのプロセスとして、以下IないしIIIの3点を創業家及びオイシックスに対して繰り返し要請してまいりました。ユニゾンファンドとしては、かかるプロセスはいずれも最低限必要となるものであり、創業家及びオイシックスに十分に対応いただくことができるものであると考えております。

I. シダックスの企業価値の最大化及び一般株主保護の観点から、オイシックスが企図する資本業務提携が、複数の第三者からシダックスに提案されているフード関連事業にかかる買収・協業提案(以下「第三者提案」)と比較して最善であることを確認する上場会社としての然るべき意思決定プロセスを経るなど、シダックスがオイシックスによる本普通株式の取得に賛同できるようにすること

II. 創業家とオイシックスの協議の経緯や状況を踏まえると、創業家は公開買付け規制上、オイシックスの特別関係者に該当する可能性があり、また、一般株主保護の観点からも、オイシックスによる本普通株式の取得は公開買付けによって行うこと

III. オイシックスは、第三者提案の存在及び内容並びにシダックスがこれを検討中であることを認識しているところ、かかる事実についてシダックスによる公表がない状況でオイシックスが公開買付けを行う場合、インサイダー取引規制に違反するおそれが高いと考えられるため、かかる懸念が解消されること

  なお、上記IIIに関連し、本公開買付けに係る2022年8月30日付の公開買付届出書によれば、2022年8月19日にシダックスにおいて開催された、シダックス代表取締役・創業家である志太勤一氏による、本公開買付けに関するシダックスの取締役全員及び監査役全員に対する報告会において、第三者提案が撤回され、又は真摯な提案ではないことが判明した旨を報告したこと等から、オイシックスとしては、本公開買付けはインサイダー取引規制に違反しないと考えているとのことです。しかしながら、シダックスが公表した2022年9月5日付の意見表明報告書(以下「本意見表明報告書」)によれば、シダックスとしては、第三者提案が真摯な提案ではないという評価はしておらず、オイシックスとの協業案と第三者提案との比較検討が必要であると考えているとのことです。ユニゾンファンドとしては、このような状況のもとでは、本公開買付けの実施及びこれに対する本普通株式の応募には、インサイダー取引規制に抵触する懸念があると引き続き考えております。

  こうした中、本意見表明報告書によれば、シダックスは、本公開買付けはシダックスの企業価値を侵害し、株主の利益を害するおそれが大きいため、本公開買付けに対して反対すること、そして、シダックスの株主の皆様には本公開買付けに応募しないようお願いする旨の意見を表明することを、本公開買付けについて特別の利害関係を有しない取締役3名全員一致で決議しました。

  ユニゾンファンドは、かかるシダックスの意見表明を重く受け止め、また、健全な資本市場の発展の一翼を担う市場参加者として、ユニゾンファンドや創業家のみならず、シダックス自身や一般株主を含むあらゆるステークホルダーにとっても最善となる可能性を真摯に検討いたしました。その結果、ユニゾンファンドとしては、引き続き誠実に本株主間契約の義務を履行するため、本意見表明報告書において指摘されている懸念が解消され、シダックスの賛同表明が得られること、並びに本公開買付けの実施及びこれに対する応募がインサイダー取引規制に抵触する可能性が払拭されることを条件として、本公開買付けに応募することとする方針(以下「本方針」)を本日改めて確認いたしました。

  ユニゾンファンドは、本方針を確認したことをオイシックス及び創業家に伝達するとともに、今後、本方針に従い、本公開買付けの期間が終了するまでの状況を注視し、本公開買付けの応募の可否について最終判断し、適切に対応してまいる所存です。